「任せて、待つ」──三陽工業・井上社長が実践する“育つ組織”のつくり方

みなさん、こんにちは!
今回のインタビューでは、製造業界で活躍する三陽工業株式会社の代表取締役、井上社長にお話を伺いました。
前半では、井上社長が、どのようにして経営者の道を歩む決意をしたのか、その背景にある原体験や新卒時代の過酷な職場経験について深掘りします。後半では、現在の経営スタイルや「社員の邪魔をしない」という独自のマネジメント観、そして若者への熱いメッセージに迫ります。
社長が語る“人づくり”と“覚悟”のリアル。ぜひ動画でもチェックしてみてください!
目次
井上社長のプロフィール
井上 直之(いのうえ なおゆき)
兵庫県出身。佐賀大学卒業後、2000年に一般企業へ新卒入社し、3年間、超成果主義の厳しい営業現場で経験を積みました。その後、祖父が創業し、父が経理を担っていた三陽工業株式会社へ入社。
入社からわずか2年後の2007年に取締役に就任。2018年には代表取締役社長に就任し、事業の多角化と人材育成に力を注ぐ。現在は、製造派遣・製造業を両軸に据え、若者が活躍できる職場づくりを推進している経営者です。
インタビューで見えた井上社長の経営哲学
起業・経営者を志したきっかけ
井上社長が「いつかは経営者に」と意識し始めたのは、小学校3年生の頃だと語ります。自身が創業家の一員であることを早くから自覚しており、祖父と父、それぞれが担う役割を間近で見ながら育ちました。
祖父は創業者として、現場の溶接を担い、父は会社の数字を見ながら経営全体のバランスを整える存在。そんな対照的な2人の背中を見て育った社長は、経営者としてのスタンスを模索する中で、次第に「社員の意思を尊重する」「任せる」という姿勢を大切にするようになったと語ります。
大学卒業後はすぐに家業には入らず、父から「大学に行きなさい」「まずは自分で就職しなさい」という助言に従い、大学卒業後、一般企業に就職しました。そこで待っていたのは「数字が人格」という超成果主義の営業現場でした。3年間、毎日“朝礼→昼礼→夕礼”で数字の報告を求められ、達成できなければ厳しく詰められたそうです。この厳しい職場経験が、「一時的な成果より、長期的に働き続けられる環境のほうが大切だ」と感じるきっかけになったといいます。
経営者としての挑戦と組織改革
経営に関わる中で、井上社長が大切にしてきたのは「社員自身が考え、動く力を育てる」ことです。自身も事業部長として、「任されるからこそ本気になれる」「ミスも学びになる」と実感した経験が、現在の経営方針につながっています。
社長就任後も、「自分がやった方が早い」と思う場面でもあえて口を出さず、社員が自ら行動して気づきを得るプロセスを大切にしてきました。こうした「邪魔をしない」姿勢は、社員の主体性を引き出す組織づくりにつながっています。
また、かつて数字だけで評価される厳しい職場に身を置き、日々のノルマに追われる経験から、「短期的な数字」よりも「持続可能な価値」を重視するようになったといいます。
現在の事業と未来への展望
現在、三陽工業株式会社では「製造業務」と「製造派遣」の両事業を展開しています。もともとは特定の企業1社に対してのみ行っていたサービスでしたが、2008年のリーマンショックを契機に事業方針を転換し、複数の企業にサービス提供を広げるようになったといいます。
若者へのメッセージ
井上社長は、これまでの歩みを振り返りながら、「目の前のことを必死になってやる、一生懸命やる、そこに尽きる」と語ります。
何をすればよいのかわからないときこそ、「今この瞬間に気づいた自分」にできることを見つけ、全力で取り組むことが大切だといいます。
例えば、「毎朝5時半に起きる。そんなシンプルなことでいい。それができれば、次の一歩が自然と見えてくるのです」と話します。今やれることを“誰にもできないくらい徹底してやる”ことで、それがやがて“やりたいこと”に変わると話します。
また、「他人と比べなくていい。比べるべき相手は“昨日の自分”」という言葉には、読者である若者への深いエールが込められていました。
まとめ
井上社長の経営哲学の根底には、「人を信じて、邪魔をしない」という信念があります。
社員の力を信じ、成長を促す“余白”を与える経営スタイルは、変化の時代にこそ求められる姿勢といえるでしょう。
「まずは目の前のことを徹底する」――その積み重ねが、自分の可能性を切り開く一歩になる。そんな示唆に富んだインタビューでした。ぜひ動画で井上社長の言葉を直接感じてみてください。
インタビュー動画
前半動画
後半動画
最後に
インタビューを通じて強く感じたのは、「成果よりも、成長を信じる」という井上社長の人間観です。
特に「失敗から学ぶ力を奪ってはいけない」「比べるのは過去の自分」という言葉は、学生や若手社会人にとって背中を押してくれる金言でした。
また、若い世代に向けたメッセージは、今年6月に出版された初の著書にも込められています。インタビューで語られた経験の背景を、より深く知ることができる一冊です。
社長の人柄と信念が滲み出るインタビュー、ぜひ動画でその熱量を感じてください。
井上社長、貴重なお話をありがとうございました!
三陽工業株式会社の詳細についてはこちら!
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会社概要
会社名:三陽工業株式会社
所在地:兵庫県明石市大久保町江井島1388
代表者: 井上 直之
設立:1980年
事業内容:製造業、製造派遣事業
URL:https://sanyou-ind.co.jp/top/

