株式会社山本海苔店 山本社長インタビュー|良い海苔ほど高く買う“仕入哲学”と経営理念
みなさんこんにちは。
今回は、老舗海苔専門店として長い歴史を持つ株式会社山本海苔店の山本社長にお話を伺いました。
前半では、山本社長が経営の道を意識するようになった背景や、仕入現場で受けた“価値観がひっくり返る衝撃”について。後半では、組織づくりの葛藤や、経営理念を軸にした改革、そして未来へのビジョンを深掘りしています。
老舗企業を次世代へつなぐリアルな挑戦が詰まった内容です。ぜひ動画とあわせてチェックしてみてください。
目次
山本社長のプロフィール
山本 貴大 (やまもと たかひろ)
代々続く山本海苔店の家系に生まれ、幼少期から自然と「いずれ会社を継ぐ立場になるのだろう」と意識しながら育ちました。ただし、父親から直接「社長になれ」と言われたことは一度もなく、家業を意識しつつも、自身の意思で進路を考えてきたといいます。
大学時代は体育会サッカー部に所属。卒業後はすぐに家業へ入るのではなく、社会の仕組みやお金の流れを学ぶため金融機関に就職しました。就職活動の際、OBから「経営者にとって一番大切なのは危機を察知する力。それが学べるのが金融だ」と助言を受けたことが、進路選択の大きなきっかけになったといいます。
数年間の外部経験を経て山本海苔店へ入社。仕入部門や海外事業などを担当した後、代表取締役社長に就任。伝統を守りながらも次の時代に向けた改革に取り組んでいます。
インタビューで見えた山本社長の経営哲学
起業・経営者を志したきっかけ
山本社長は代々続く家業を継ぐ立場として育ち、幼い頃から「いずれ当主になるのだろう」と自然に意識していたといいます。大学時代は体育会サッカー部に打ち込み、当時は経営よりも競技に集中していました。
就職活動の際、将来を見据えて父に相談したところ、「できれば外で勉強してきてほしい」と背中を押されます。さらにOBから「銀行員は落とし穴を事前に教える仕事だが、経営者は自分でジャンプして越えなければならない瞬間がある」という言葉をかけられ、「経営者には危機を察知する力が必要で、それが学べるのが金融だ」と助言を受けたことから、銀行への就職を決意しました。
まずは社会の仕組みを学ぶことが、将来の経営につながると考えた選択でした。
経営者としての挑戦と組織改革
山本海苔店に入社した当初、山本社長が感じたのは強い孤独でした。「目も合わせてもらえない」「何この孤独?」と思うほど、社内に溶け込むのは簡単ではなかったといいます。
さらに当時の会社は、中元・歳暮を中心とした百貨店ビジネスが主軸でした。市場規模が縮小している現実を示しながら、「このままで本当にいいのでしょうか」と訴えても、なかなか組織は動きません。
転機となったのは、社員全員で経営理念を作ったことでした。完成した理念は「よりおいしい海苔を、より多くのお客様に楽しんでいただく」。
それまで「社長の意見」として伝えていた改革案を、「この理念に沿うなら、中元・歳暮以外の挑戦も必要ですよね」と共有する形に変えたことで、少しずつ歯車が噛み合い始めました。山本社長は、「社長が一番偉いのではなく、経営理念が一番偉い。私はその応援隊長のような存在です」と語ります。トップダウンではなく、共通の軸で組織を動かす姿勢が印象的でした。
現在の事業と未来への展望
現在、山本海苔店が最も大切にしているのは「本当においしい海苔」を届けること。その象徴が、仕入への徹底したこだわりです。
山本海苔店では昔から、「良い海苔を作ってくれた漁師さんからは、できる限り高く買う」という考え方が受け継がれてきました。海苔は早い段階で採るほど、味や香り、口溶けが良くなりますが、その分収穫量は減ってしまいます。それでも山本海苔店は、あえて短く切ってもらい、その品質に見合う価格で仕入れる姿勢を貫いてきました。目先のコストよりも“おいしい海苔の未来”を優先する。この積み重ねこそが、産地との揺るぎない信頼関係につながっています。
「安く買えば一時的な利益は出る。でも、それでは海苔の未来がなくなる」。一次産業と向き合いながら、長期的な視点でブランド価値を守り続けています。
今後も伝統を軸にしつつ、より多くの人に海苔の魅力を届けるため、新たな商品開発や発信にも力を入れていく方針です。
若者へのメッセージ
今回のインタビューから伝わってきたのは、山本社長が常に「先を見据えて行動してきた」という姿勢でした。大学卒業後、すぐに家業へ入るのではなく、あえて銀行に就職し、経営に必要な“危機察知能力”を身につける道を選んだことも、その一つです。
また、山本海苔店に戻った当初は強い孤独を感じながらも、現場に入り続け、社員と向き合い、組織の在り方について考え続けてきました。思うようにいかない時期を経験する中で、経営理念を「みんなで作る」という選択にたどり着いたといいます。
遠回りに見える経験や、壁にぶつかる時間も、後になって必ず糧になる。山本社長の歩みからは、正解が見えない中でも、組織と向き合いながら考え続ける姿勢の大切さが伝わってきました。
まとめ
山本社長の経営哲学の根底にあったのは、「人と未来を大切にする」という姿勢でした。
良い海苔を高く買うという仕入の考え方も、経営理念を軸にした組織づくりも、すべては長く続く価値を守るための選択です。
変化を恐れず、理念を中心に人を巻き込む姿勢は、私たち学生にとっても大きな学びになりました。
ぜひ動画で、山本社長のリアルな言葉を感じてみてください。
インタビュー動画
前半動画
後半動画
最後に
今回のインタビューを通して特に印象に残ったのは、山本社長が「おいしさ」の裏側にある人との関係や積み重ねを、とても大切にされている点でした。良い海苔を作ってくれた漁師さんからはできる限り高く買うという姿勢や、「経営理念が一番偉い」という言葉からは、会社を長く続けていくための覚悟が伝わってきます。
また、孤独な時期を経験しながらも、組織と向き合い続けてきた歩みは、これから社会に出る私たちにとって大きな学びになりました。
貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。
株式会社山本海苔店の詳細についてはこちら!
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会社概要
会社名:株式会社山本海苔店
所在地:東京都中央区日本橋人形町2丁目35番14号東京海苔会館5F
代表者:山本 貴大
創業:1849年
事業内容:乾海苔及び乾海苔を原料とした加工食品の製造販売
URL:https://www.yamamoto-noriten.co.jp/
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