ブルーオーシャン戦略とは?成功事例4選と見つけ方を5ステップで解説

ブルーオーシャン戦略とは?成功事例4選と見つけ方を5ステップで解説

「競合が多く、価格でしか選ばれにくい」

「同じような商品やサービスが増えて、差別化が難しい」

このような悩みを抱える企業は少なくありません。特に、新規事業や中小企業では、大手企業と同じ土俵で戦うと、価格や知名度で不利になりやすいことがあります。

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そこで役立つ考え方が、ブルーオーシャン戦略です。

この記事では、ブルーオーシャン戦略の意味、レッドオーシャンとの違い、メリット・デメリット、実践ステップ、成功事例をわかりやすく解説します。経営や起業に関心がある方、新規事業のヒントを探している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ブルーオーシャン戦略とは?レッドオーシャンとの違い

競争の激しい市場と新しい価値を生み出す市場の比較

ブルーオーシャン戦略とは、競合が多い既存市場で戦うのではなく、競争の少ない新しい市場や価値をつくる経営戦略です。

既存の需要を奪い合う市場を「レッドオーシャン」と呼ぶのに対し、まだ競争が少なく、新しい需要を生み出せる市場を「ブルーオーシャン」と呼びます。

大切なのは、単に競合がいない場所を探すことではありません。顧客がまだ満たされていない価値を見つけ、これまでとは違う市場のつくり方を考えることです。

ブルーオーシャンは競争のない新しい市場

ブルーオーシャンの説明画像

ブルーオーシャンとは、競争そのものが存在せず、未知の需要に溢れた未開拓の市場空間のことです。

ただし、偶然見つかる「空いている市場」ではありません。これまで見過ごされていた顧客の悩みや、まだ満たされていないニーズを見つけ、買い手にとっての価値を高めると同時に、自社のコストを抑える「バリューイノベーション(価値革新)」を実現することで生まれる市場です。

たとえば、既存の商品やサービスに不満を感じている人、そもそもその業界の商品を使っていない人に目を向けることで、新しい市場のヒントが見つかることがあります。

ブルーオーシャン戦略は、競合と争って勝つための戦略ではなく、独自の価値を創造することで「競争を無意味にする」戦略だといえます。

レッドオーシャンは競合と既存需要を奪い合う市場

レッドオーシャンとは、すでに多くの競合が存在し、限られた顧客や売上を奪い合っている市場のことです。

この市場では、商品やサービスの違いが見えにくくなり、価格の安さや機能の多さで比較されやすくなります。その結果、企業は値下げ競争や広告競争に巻き込まれ、利益を出しにくくなることがあります。

たとえば、同じような商品が並ぶ市場では、顧客は「どれが一番安いか」で判断しやすくなります。そうなると、企業は価格を下げざるを得なくなり、売上はあっても利益が残りにくい状態になります。

このような競争から抜け出すために、ブルーオーシャン戦略の考え方が役立ちます。

ブルーオーシャン戦略が注目される理由

ブルーオーシャン戦略が注目される理由は、多くの市場で商品やサービスの違いが見えにくくなっているためです。

技術の進化や情報の広がりによって、良い商品やサービスはすぐに真似されやすくなりました。その結果、最初は差別化できていたものでも、時間が経つと似たような商品が増え、価格競争に巻き込まれやすくなります。

特に中小企業や新規事業では、大手企業と同じ土俵で戦うと、資金力や人材の面で不利になることがあります。だからこそ、競合と同じ市場で戦うのではなく、自社の強みを活かせる新しい市場や価値を見つけることが大切です。

ブルーオーシャン戦略の核となるバリューイノベーション

顧客価値を高めながらコストを削減するイラスト

ブルーオーシャン戦略の中心にある考え方が、バリューイノベーションです。

バリューイノベーションとは、顧客にとっての価値を高めながら、同時にコストを下げる考え方です。一般的には、価値を高めようとするとコストも上がりやすくなります。しかし、ブルーオーシャン戦略では、顧客にとって重要ではない要素を減らし、本当に求められている価値に集中することで、価値向上とコスト削減の両立を目指します。

顧客価値を高めながらコストを下げる考え方

バリューイノベーションで大切なのは、すべての価値を高めようとしないことです。

顧客があまり重視していない機能やサービスまで増やしてしまうと、コストが上がり、価格も高くなりやすくなります。そこで、まずは「顧客にとって本当に必要なもの」と「実はそこまで求められていないもの」を分けて考えます。

必要性が低いものは取り除く、または減らす。一方で、顧客が強く求めている価値は増やす、または新しく付け加える。

このように価値の配分を見直すことで、顧客満足と事業の収益性を両立しやすくなります。

単なる差別化戦略やニッチ戦略との違い

ブルーオーシャン戦略は、単に競合と違うことをする差別化戦略とは異なります。

差別化戦略は、既存市場の中で競合よりも優れた特徴を出し、顧客に選ばれることを目指します。一方、ブルーオーシャン戦略は、既存市場の中で勝つことだけを目的にするのではなく、市場の境界そのものを見直し、新しい需要をつくる点に特徴があります。

また、ニッチ戦略とも少し違います。ニッチ戦略は、既存市場の中の限られた顧客層に絞って深く刺さる価値を提供する考え方です。一方、ブルーオーシャン戦略は、これまで顧客と考えられていなかった「非顧客」も取り込み、新しい市場を広げることを目指します。

つまり、ブルーオーシャン戦略は「少し違うことをする戦略」ではなく、「市場の見方そのものを変える戦略」だといえます。

4つのアクションで新しい価値をつくる

01
ELIMINATE
取り除く

顧客にとって価値になっていない要素をなくす

02
REDUCE
減らす

必要以上に提供している要素の水準を下げる

03
RAISE
増やす

顧客が求めているのに不足している価値を高める

04
CREATE
付け加える

これまで業界になかった新しい価値を生み出す

4つのアクションとは、既存の業界で当たり前になっている競争要因を見直し、バリューイノベーションを起こすためのフレームワークです。

英語の頭文字を取って「ERRC(グリッド)」とも呼ばれます。 具体的には、「取り除く(Eliminate)」「減らす(Reduce)」「増やす(Raise)」「付け加える(Create)」という4つの視点から、商品やサービスの価値曲線を再設計します。

4つの視点で、商品やサービスを再設計します。この4つを考えることで、無駄なコストを削りながら、顧客が本当に求めている価値を強化できます。

取り除く(Eliminate)

「取り除く(Eliminate)」とは、業界では当たり前になっているものの、顧客にとって大きな価値になっていない要素をなくすことです。

たとえば、過剰な接客、複雑な機能、長すぎる手続きなどが該当する場合があります。これらを取り除くことで、コストを下げながら、顧客にとっても利用しやすいサービスに変えられます。

減らす(Reduce)

「減らす(Reduce)」とは、完全になくす必要はないものの、業界標準よりも提供水準を下げても問題ない要素を見直すことです。

顧客がそこまで重視していない部分に過剰なコストをかけている場合、その水準を下げることで事業全体の効率を高められます。

増やす(Raise)

「増やす(Raise)」とは、顧客が強く求めているにもかかわらず、業界内では十分に提供されていない価値を高めることです。

たとえば、スピード、わかりやすさ、手軽さ、安心感などは、業界によっては大きな差別化要素になります。顧客が本当に重視している要素を見つけ、そこに力を入れることが重要です。

付け加える(Create)

「付け加える(Create)」とは、これまで業界では提供されてこなかった新しい価値を加えることです。

新しい技術を使う場合もあれば、別の業界の考え方を取り入れる場合もあります。大切なのは、顧客が「これまでになかったけれど、あると便利だ」と感じる価値を見つけることです。

ブルーオーシャン戦略のメリット・デメリット

ブルーオーシャン戦略のメリットとデメリット

ブルーオーシャン戦略には、価格競争から抜け出しやすい、利益率を高めやすいなどのメリットがあります。

一方で、新しい市場を見つける難しさや、成功後に模倣されるリスクもあります。メリットだけでなく注意点も理解しておくことで、自社に合った形で活用しやすくなります。

メリット1:価格競争に巻き込まれにくい

ブルーオーシャン戦略の大きなメリットは、価格競争に巻き込まれにくいことです。

競合と同じような商品やサービスを提供していると、顧客は価格で比較しやすくなります。しかし、他にはない価値を提供できれば、単純な価格比較から抜け出しやすくなります。

その結果、値下げで顧客を獲得するのではなく、価値に見合った価格で選ばれる可能性が高まります。

メリット2:高い利益率を目指しやすい

ブルーオーシャン戦略では、顧客にとって不要な要素を減らし、本当に求められている価値に集中します。

そのため、無駄なコストを削りながら、顧客満足度を高めることができます。価値を高めつつコストを抑えられれば、結果として利益率の向上も目指しやすくなります。

メリット3:新しい市場の先行者になれる

新しい市場を先に見つけられれば、その分野の先行者として認知されやすくなります。

まだ競合が少ない段階で顧客との関係を築ければ、ブランドイメージや信頼を早く獲得できます。後から競合が参入してきても、先に築いた認知や顧客基盤が強みになる場合があります。

デメリット1:新しい市場を見つける難易度が高い

ブルーオーシャン戦略の難しさは、新しい市場を見つけること自体にあります。

競合がいない市場は、すでに明確な需要が見えていない場合も多く、顧客が本当に求めているものを見極める必要があります。フレームワークを使うだけで簡単に見つかるものではなく、顧客理解や現場での観察が欠かせません。

デメリット2:顧客に価値を理解してもらうまで時間がかかる

新しい価値は、すぐに顧客に理解されるとは限りません。

これまでにない商品やサービスほど、「なぜ必要なのか」「どのような場面で役立つのか」を丁寧に伝える必要があります。そのため、市場が立ち上がるまでに時間がかかることがあります。

新規事業として取り組む場合は、短期的な成果だけで判断せず、顧客に価値が伝わるまでの期間も考えておくことが大切です。

デメリット3:成功後に模倣されるリスクがある

ブルーオーシャンは、一度見つければ永遠に続くものではありません。

新しい市場で成功すると、その市場の魅力に気づいた競合が後から参入してくる可能性があります。すると、最初は競争が少なかった市場でも、時間が経つにつれてレッドオーシャン化していきます。

そのため、成功した後も顧客の変化を見続け、次の価値をつくり続けることが重要です。

ブルーオーシャン戦略の見つけ方・実践ステップ

足跡をたどり新しい価値を探す男女のイラスト

ブルーオーシャン戦略は、感覚だけで見つけるものではありません。

市場の競争軸を整理し、顧客ではない人にも目を向け、どの価値を減らし、どの価値を増やすのかを考えることで、新しい市場のヒントを見つけやすくなります。

ここでは、ブルーオーシャン戦略を考えるための実践ステップを5つに分けて解説します。

ステップ1:戦略キャンバスで市場の競争軸を整理する

ステップ1では、まず自社がいる市場で、どのような要素が競争の軸になっているのかを整理します。

たとえば、価格、品質、機能、デザイン、接客、納期、アフターサービスなど、顧客が比較するときに見ている要素を洗い出します。

そのうえで、自社と競合がそれぞれどの要素に力を入れているのかを比べます。すると、業界全体が似たような部分で競争しているのか、逆にまだ十分に満たされていない価値があるのかが見えやすくなります。

この整理に使えるのが、戦略キャンバスです。難しく考えすぎず、「この業界では何で比べられているのか」を見える化するためのツールだと考えるとわかりやすいでしょう。

ステップ2:6つのパスで市場の境界を見直す

ブルー・オーシャン戦略において、既存の競争の枠組みから抜け出し、新たな市場空間を切り開くための具体的な探索手法が「6つのパス(経路)」です。同業他社との機能や価格の比較にとどまらず、顧客が価値を選択する広い文脈に着目することで、業界の境界線を再定義します。

6つのパスは、以下の視点で構成されています。

視点 考え方
代替産業を見る 直接の競合だけでなく、顧客が同じ目的を達成するために選択している 別カテゴリの製品やサービス を分析します。
業界内の異なる戦略グループを見る 価格や性能の異なるグループ間にあるトレードオフを崩し、 両者の利点を掛け合わせた新たなポジショニング を探ります。
異なる買い手グループを見る 購買決定者、実際の利用者、影響力を持つ関係者の 誰に焦点を当てるか を見直し、訴求対象をシフトします。
補完する商品・サービスを見る 商品やサービスの利用前・利用中・利用後に生じる 顧客の手間や不満 を捉え、総合的な課題解決を図ります。
機能志向と感性志向を切り替える 実用性重視の市場に情緒的価値を付加する、あるいは過剰な感情訴求市場をシンプルな機能重視に変えることで 差別化 します。
将来のトレンドを見る 技術革新や法改正、社会変化が顧客価値に与える決定的な影響を見極め、 市場の変化を先取り して形作ります。

これら6つの視点を体系的に検証することで、業界の常識や思い込みを排除し、独自の価値提案を生み出すための突破口を見出すことができます。

ステップ3:既存顧客ではなく「非顧客」に目を向ける

新しい市場を見つけるには、今すでに商品やサービスを使っている顧客だけでなく、まだ使っていない人にも目を向けることが大切です。

ブルーオーシャン戦略では、このような人たちを「非顧客」と考えます。

非顧客がなぜその商品やサービスを使っていないのかを考えることで、既存の顧客だけを見ていては気づけない新しい価値のヒントが見つかります。

非顧客
価格が高い 使い方が難しい 時間がかかる 自分には関係ない
新しい価値・市場の発見

たとえば、「価格が高い」「使い方が難しい」「時間がかかる」「自分には関係ないと思っている」などの理由があるかもしれません。こうした理由を掘り下げることが、新しい市場をつくる第一歩になります。

ブルーオーシャン戦略において、非顧客は市場との距離や関心度合いに応じて「3つの階層(第1層〜第3層)」に分類されます。それぞれの層が抱える課題や心理を捉えることで、アプローチすべき潜在需要を具体化できます。

第1層
不満を持ちながら利用している人

より良い価値があれば、乗り換える可能性が高い層です。

第2層
あえて利用していない人

価格や使いにくさを理由に、利用を避けている層です。

第3層
顧客と考えられてこなかった人

これまで対象外とされ、需要を見過ごされてきた層です。

第1層:今のサービスに不満を持ちながら利用している人

第1層は、今の商品やサービスを利用しているものの、不満を持っている人です。

たとえば、「他に良い選択肢がないから使っている」「本当はもっと簡単なものが欲しい」と感じている人が当てはまります。

この層は、より良い価値があれば乗り換える可能性が高いため、新しい市場を考えるうえで重要です。

第2層:あえてその業界の商品やサービスを使っていない人

第2層は、その業界の商品やサービスをあえて使っていない人です。

「価格が高い」「使いにくい」「自分には必要ない」と感じて、利用を避けている人が当てはまります。

この層がなぜ利用していないのかを考えることで、既存の市場にはない新しい価値を見つけやすくなります。

第3層:これまで顧客として考えられてこなかった人

第3層は、これまで顧客として考えられてこなかった人です。

業界側が「この人たちは対象ではない」と思い込んでいる層の中にも、新しい需要が隠れていることがあります。

これまで対象外だと思っていた人に目を向けることで、市場そのものを広げるヒントが見つかります。

ステップ4:4つのアクションで新しい価値を整理する

戦略キャンバスで「今」を把握し、6つのパスで「市場の見方」を変え、非顧客分析で「誰を新しい顧客にするか」を考えたら、それらをもとに新しい価値を考えます。

ここで使うのが、ERRCグリッドの「取り除く(Eliminate)」「減らす(Reduce)」「増やす(Raise)」「付け加える(Create)」の4つのアクションです。

たとえば、顧客が重視していないサービスは減らし、逆に「もっとこうだったら使いやすい」と感じている部分は増やします。さらに、これまで業界になかった価値を付け加えることで、既存市場とは違う新しい選ばれ方をつくることができます。

戦略キャンバスで「今」を把握し、6つのパスで「市場の見方」を変え、非顧客分析で「誰を新しい顧客にするか」を考えたら、それらをもとに新しい価値を考えます。

ステップ5:戦略の順序(効用・価格・コスト・採用)を検証する

良いアイデアがビジネスとして成立するかを、以下の「ブルーオーシャン戦略の順序」に沿って厳格に検証します。

1
買い手の効用

その製品は、顧客の生活を劇的に変えるほど卓越した便利さや楽しさ(効用)を提供できているか。

2
価格

一部の富裕層だけでなく、大多数のターゲット層が無理なく購入できる「戦略的価格」に設定されているか。

3
コスト

目標とする価格で十分な利益を出すために、目標コストを達成できるか。

4
採用

導入にあたって、従業員、ビジネスパートナー、一般社会からの反対や懸念(実行上の障壁)を解消できているか。

この順番で一つでも「NO」がある場合は、アイデアを練り直す必要があります。

ステップ6:公正なプロセス(納得性)を重視して実行する

新しい戦略を形にする際は、現場の従業員の理解と協力が不可欠です。「関与」「説明」「期待内容の明確化」という「公正なプロセス」を重視し、組織一丸となって戦略を実行します。また、市場の反応を見ながら柔軟に修正を加えることで、不確実性の高い新市場において着実に価値を定着させていきます。

ブルーオーシャン戦略の成功事例

階段を上り事業の成功を目指す女性のイラスト

ブルーオーシャン戦略は、実際の企業事例を見ると理解しやすくなります。

ここでは、既存市場の競争から抜け出し、新しい価値をつくった代表的な事例を紹介します。単に「成功した企業」として見るのではなく、何を減らし、何を増やしたのかに注目すると、自社の事業にも応用しやすくなります。

QBハウス:時間の価値をつくった事例

QBハウスは、理美容業界で新しい価値をつくった代表的な事例です。

従来の理美容店では、シャンプー、マッサージ、顔剃り、予約などのサービスが一般的でした。しかし、QBハウスはこれらの付加サービスを減らし、「短時間で髪を切れる」という価値に集中しました。

その結果、「忙しくて理髪店に長く滞在したくない」「手軽に身だしなみを整えたい」という人たちに選ばれるようになりました。

QBハウスの事例からわかるのは、すべてのサービスを増やすことが価値ではないということです。顧客が本当に求めている価値に絞ることで、新しい市場をつくることができます。

任天堂Wii:非ゲーマー層を取り込んだ事例

任天堂Wiiは、ゲーム業界で非ゲーマー層を取り込んだ事例です。

当時の家庭用ゲーム機市場では、グラフィック性能や処理速度など、スペック面での競争が激しくなっていました。しかし、任天堂Wiiはその競争から距離を取り、直感的に操作できるリモコンや、家族で楽しめる体験を重視しました。

その結果、従来のゲーム好きだけでなく、子ども、親世代、高齢者など、これまでゲーム機を積極的に使っていなかった層にも広がりました。

この事例からは、既存顧客だけを見るのではなく、「今まで使っていなかった人」に目を向けることの重要性がわかります。

シルク・ドゥ・ソレイユ:サーカスを大人向けエンタメに変えた事例

シルク・ドゥ・ソレイユは、従来のサーカスを大人向けのエンターテイメントに変えた事例です。

従来のサーカスでは、動物ショーや有名パフォーマー、子ども向けの娯楽というイメージが強くありました。シルク・ドゥ・ソレイユは、動物ショーなどの要素を取り除き、代わりにストーリー性、音楽、照明、衣装、舞台演出といった芸術性を高めました。

これにより、従来のサーカスにはあまり関心を持たなかった大人の観客を取り込み、新しいエンターテイメント市場をつくりました。

この事例は、異なる業界の要素を組み合わせることで、新しい価値を生み出せることを示しています。

Netflix:映像を見る体験を変えた事例

Netflixは、映像を見る体験そのものを変えた事例です。

従来のレンタルビデオでは、店舗に行く、DVDを借りる、期限までに返却する、延滞料金が発生する、といった手間がありました。Netflixは、こうした不便を減らし、好きなときに好きな場所で映像を楽しめる仕組みを広げていきました。

さらに、月額制の仕組みや、ユーザーに合わせたおすすめ機能によって、映像を探す体験も便利にしました。

この事例からは、商品そのものだけでなく、利用前後の不便を解消することも、新しい価値につながるとわかります。

ブルーオーシャン戦略を見つけるときのポイント

顧客の不満から新しいサービスを考える男女のイラスト

ブルーオーシャン戦略を考えるときは、競合の動きだけを見るのではなく、顧客の不満や業界の常識に目を向けることが大切です。

新しい市場は、まったくゼロから生まれるとは限りません。既存の商品やサービスの中で「使いにくい」「時間がかかる」「価格が高い」「自分には合わない」と感じられている部分を見直すことで、新しい価値のヒントが見つかることがあります。

競合ではなく、顧客の不満に目を向ける

ブルーオーシャンを見つけるためには、競合の動きを追うだけでは不十分です。

もちろん競合分析も大切ですが、それ以上に重要なのは、顧客が何に困っているのかを知ることです。顧客が「面倒だ」「わかりにくい」「時間がかかる」と感じている部分には、新しい価値をつくるヒントがあります。

競合に勝つ方法を考えるだけでなく、顧客がまだ満たされていない価値を探すことが、ブルーオーシャン戦略の出発点になります。

自社の強みを別の市場で活かす

ブルーオーシャンを見つけるうえでは、自社の強みを見直すことも大切です。

技術、ノウハウ、顧客との関係、営業力、対応の速さなど、自社にとっては当たり前の強みが、別の市場では大きな価値になることがあります。

自社の強みを「今の市場だけで使うもの」と考えるのではなく、「他の市場ではどんな課題を解決できるか」と考えることで、新しい市場のヒントが見つかりやすくなります。

業界の常識を疑う

ブルーオーシャン戦略では、業界で当たり前になっていることを疑う視点も欠かせません。

「このサービスは本当に必要なのか」

「この機能は顧客にとって価値があるのか」

「もっと簡単にできる方法はないのか」

このように考えることで、不要な要素を減らし、顧客が本当に求めている価値に集中できます。

ブルーオーシャンは、特別なアイデアだけから生まれるものではありません。顧客の不満、自社の強み、業界の常識を見直すことから、新しい市場の可能性が見えてきます。

顧客の不満
自社の強み
業界の常識
3つの視点を見直すことで
新しい市場の可能性を発見

まとめ:ブルーオーシャン戦略は、競争から逃げる戦略ではなく価値を作り直す戦略

新しい顧客層への市場拡大を考える男女のイラスト

この記事では、ブルーオーシャン戦略の意味、レッドオーシャンとの違い、メリット・デメリット、実践ステップ、成功事例を解説しました。

ブルーオーシャン戦略は新しい市場や需要をつくる考え方

ブルーオーシャン戦略は、競争からただ逃げるための戦略ではありません。顧客にとって本当に必要な価値を見直し、これまでになかった市場や需要をつくるための考え方です。

そのためには、業界の常識を疑い、顧客の不満や非顧客の存在に目を向けることが大切です。また、すべての価値を増やすのではなく、不要なものを減らし、本当に求められている価値に集中することも重要です。

まずは業界の「当たり前」を見直そう

新規事業や経営のヒントを探している方は、まず自社の業界で「当たり前」とされていることを見直してみてください。その中に、競争しない市場を見つけるきっかけがあるかもしれません。

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