コナリゾートが描く地域と観光の新しい形。経営者が挑む地域活性化の未来

みなさんこんにちは!
今回は、観光・宿泊業界で注目を集める「株式会社コナリゾート」の代表取締役・大嶽龍太郎社長にお話を伺いました。
前半では起業や経営に至るまでのストーリー、子供時代の原体験について、後半では地域と共に歩む、経営方針や未来へのビジョンを語っていただきました。
社長が大切にしている「地域に根ざしたホテル経営」の舞台裏を、ぜひ動画でもご覧ください。
目次
大嶽社長のプロフィール
大嶽 龍太郎(おおだけ りゅうたろう)
静岡県沼津市出身。
高校時代、父の趣味であったヨットを通じて多国籍な人々と交流し、国際的な視野を養いました。アメリカのウェスタン・ミシガン大学に1年間留学した後、大学2年生の時にボストン近郊の大学へ転校し、国際政治や経済を学びました。
帰国後は商社に入社し、5年間にわたり貿易業務に携わりました。その後、30代で父親の事業を継ぎ、観光業界へと進みました。
現在は株式会社コナリゾート(コナステイ伊豆長岡)、株式会社ホテルニューオータケ(ココチホテル沼津)の代表として、ホテル運営、地域活性化 、インバウンド対応など多岐にわたるプロジェクトを牽引しています。地域資源を活かした持続可能な観光のあり方を追求し、新たな価値の創出に取り組んでいます。
インタビューで見えた大嶽社長の経営哲学
起業・経営者を志したきっかけ
大嶽社長は、もともと経営者を志していたわけではありませんでした。
父親がホテル業を営んでいたことから、観光業界は身近な存在ではありましたが、「継いでほしい」と言われたことは一度もなかったといいます。むしろ「自分の好きな道を進め」という言葉をかけられ、進路の選択は本人の自由に委ねられていました。大学生の頃には、ホテル業に携わる未来を想像していなかったと振り返ります。
やがて30歳を迎えたころ、父から「経営が思うようにいっていないホテルを手伝ってほしい」と声をかけられました。当初は迷いもありましたが、「自分の学費は誰が払ったのか」と問われたことで腹をくくり、家業に入ることを決意しました。ホテル業は全くの未経験だったため、ゼロからのスタートとなりました。
経営者としての挑戦と組織改革
「まずは自信を持って提供できるサービスを作ろう」と考え、最初に取り組んだのが、沼津のホテル(現在のココチホテル沼津)での朝食の刷新でした。地元・沼津の名物、アジの干物を目の前で炙りながら提供するスタイルを導入すると、これが宿の人気に火をつけ、「朝食が目当ての宿」として注目を集めるようになりました。この成功体験が、地域の魅力を最大限に活かした観光づくりという現在の経営方針につながる重要なステップとなりました。
多くのリゾートホテルが「宿泊・食事・買い物」をホテル内で完結させるスタイルを取る中、コナリゾートでは、あえて「地域に分散」するモデルを採用しています。宿泊客には地域の飲食店での食事をおすすめし、地元の体験型アクティビティをご案内するなど、「地域分散型」の運営スタイルを実践しています。
こうした取り組みにより、地元住民や店舗との信頼関係が深まり、地域経済の活性化にもつながっているそうです。
「地域とともにおもてなしをする」という考え方を徹底して、語ってくださいました。
現在の事業と未来への展望
株式会社コナリゾートでは現在、「インバウンド向けサイクルツーリズム事業」に力を注いでいます。
伊豆半島は風光明媚な地形に恵まれていますが、外国人観光客の訪問数の割合は、全体の2割にとどまっているのが現状です。
コナリゾートでは、将来的に宿泊客の50%以上をインバウンドとすることを目標に掲げています。
しかし現状では、海外旅行者にとって魅力的な地域の情報が十分に伝えられていないと感じており、伊豆半島ならではの魅力を海外の方々に届けることが課題となっています。
そのため、今後は、SNSや動画などを活用した情報発信を強化し、海外旅行者にとっての地域の魅力を伝えることが必要だと考えているそうです。単に観光スポットを紹介するだけでなく、「その土地でしか出会えない体験」に焦点を当てた情報発信を大切にしている点が特徴です。
そのような体験の一つとして、大嶽社長が勧めているのが、「西伊豆スカイライン」を走るサイクリングルートです。この道は、伊豆の山間部を走り抜ける絶景ロードであり、正面には堂々とした富士山、左手には静かに広がる駿河湾を望むことができます。道中には、自然がつくり出したダイナミックな景観が続き、四季折々の表情を見せる山並みや海の輝きは、まさに自転車で訪れるからこそ味わえる特別な体験です。
大嶽社長は、「自転車のスピードだからこそ見つけられる景色がある」と語ります。景色をただ“通り過ぎる”のではなく、“感じる”ことで、地域と深くつながる体験が可能になるのです。
「これからは、“地域の本当の良さ”を海外の方々にも体験していただく時代です」と語る大嶽社長。
伊豆の自然、食、人とのふれあいを観光コンテンツとして再構築し、次世代の観光スタイルを創出しようとしています。
若者へのメッセージ
最後に、これから社会に出る若者たちに向けたメッセージをいただきました。
「失敗を恐れないでほしい。自分の将来が最初から見えていなくても大丈夫。とにかくやってみることが大切です。」
そして、「思いがけない経験が、後の人生に大きな意味を持つことがあります」とも語ってくださいました。
「他人や既存の価値観にとらわれず、自分の“好き”や“違和感”を大切にしてほしい。」
人生は、好奇心と行動力で大きく変わっていきます。社長の言葉には、そんな力強いメッセージが込められていました。
まとめ
大嶽社長の挑戦は、単なる経営手法の革新ではなく、「地域と人をつなぐ新しい観光のあり方」を見つめ直し、実現するための壮大な取り組みであると感じました。
「一般的なリゾートホテルが館内で完結する仕組みを重視する中で、あえて地域に出てもらうことを大切にしている」という姿勢は、非常に印象的でした。
また、「地域の若い人たちが活躍できる場をつくり、将来戻ってきたくなるような魅力を育てたいという想いから、行政や民間と協力する」という考え方は、私たち学生にとっても大きなヒントとなりました。
ぜひ、社長のリアルな経営哲学と未来へのビジョンを動画でもご覧になってみてください。
インタビュー動画
前半動画
後半動画
最後に
インタビューを通して、大嶽社長の「地域愛」と「観光の可能性」に対する深い想いを感じることができました。
特に印象的だったのは、「ホテル単体ではなく、街全体でお客様を迎える」という考え方です。
この価値観には、これから社会に出る私たちが大切にしたいヒントが詰まっていました。
ぜひ動画を通じて、大嶽社長の熱い想いを感じてみてください。
貴重なお話をいただき、誠にありがとうございました。
会社概要
会社名:株式会社コナリゾート(コナステイ伊豆長岡)
ホテル所在地:〒410-2201 静岡県伊豆の国市古奈307
代表者:大嶽 龍太郎
創業:2017年
事業内容:ホテル・旅館の企画・運営 / ホテル・旅館の再生コンサルタント事業 / レンタサイクル事業 / 都市再開発・観光開発に関する企画・設計・デザイン・コンサルタント事業
URL:https://www.konastay.jp/
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